つうじる

ひ孫一と歩き始める。歩き始めながらひ孫一のいる側の手を下ろす。一秒か一秒半後に、ひ孫一の手がわたしの手を掴む。それ以上待つ事もないし、逆にわたしの手が降りて行ったときそこにひ孫一の手があることもない。必ず、わたしの手が降りるとひ孫一が手を掴む。わたしもひ孫一も相手の手を見てそれにあわせて自分の手を動かしているわけではない。歩道を並んで歩くときは車の通る側をわたしが歩くから、道路を横断して反対側の歩道に移ったりすると、ひ孫一が反対側に廻ることになる。一緒に歩いている間に何回かそういうことがあるが、「わたしが手を下ろす。一秒か一秒半後に、ひ孫一がわたしの手を掴む」というふうにして手を繋いで歩き始める。