鳥、とは限らないようです

何年も通っている散歩のコースだが、最初に行ったときには、勇気が要った。人里離れた、というわけではないが、歩く人は散歩の人だけ。田んぼの季節には作業の人も見かけるが、広い田んぼの中にぽつんとひとり、ときどき見かける、という程度だ。道路は舗装されているが幅は車一台分で、抜け道にもなっていないから、ほぼ通らない。

道路わきが、雑木林の斜面になっているところがある。そういうところを歩いているときに、斜面の裾の藪ーー歩いているすぐ横になるーーの中、斜面の少し上の辺り、そういうところで、ガサガサという音がすることがある。そのたびにびくっとして、何が出て来るか、と身構えた。ももも身構える。地面の上にいる動物だから四足に違いない、鬼が出るか蛇がでるか、という心境(鬼も蛇も四足ではないから、変な喩えだが)。何も出てこないのでささっと通り過ぎていた。あるとき、ガサガサという音の辺りに、鳥が歩いているのを見た。おお!鳥も歩けばガサガサという音を出すんだ、と目から鱗が落ちた。それで少し安心した。そのうちに、ガサガサという音にも、鳥だろう、から鳥に違いない、に進み、今では、鳥だ、ということになっている。どきっとすることも身構えることもない。

が、しかし、その歩き慣れた道に、写真のような看板が立った。写真は2019年2月7日に撮ったものです。それからは、その道からは田んぼ一枚分、数十メートル離れている、川の土手を歩いている。もし出会ったら、ももは絶対に吠えかかるだろうから、そうしたらイノシシも黙ってはまい。ももは、抱き上げればイノシシとの肉弾戦は避けられると思うが、わたしの足が危ない。イノシシの牙は、ものすごく鋭いそうだから、一刺しされたら出血多量になるに違いない。

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