お聞き苦しい点

夜7時のNHKニュースで、男性アナウンサーが声を詰まらせた。むせるのを堪えたように聞こえた。すぐに音声のスイッチを切ったのだろう、暫く(5秒程か)無音の状態があった後、女性アナウンサーが続きを読み始めた。一本のニュースの途中で交替したのだから、普通のことではない。その後の三本か四本のニュース(15分くらいか)を女性アナウンサーが読んだ後、男性アナウンサーが復帰した。声の感じにまったく何も変わったところはなかった。心の動揺のようなものも感じられなかった(今から思えば、あまりに変わらなすぎる調子に相当な意志の力の発揮を、感じとれたといえば言えたかもしれない)。
ニュースの最後に、お決まりの「お聞き苦しい点があったことをお詫びします」が流れたが、「ご心配をお掛けした点を」の方がぴったりした事件だった。