珍しい光景

鷺は地面に降りる寸前に、広げた羽を地面に垂直にして空気の抵抗を受けて、ふわっと着地する。習わなくてもできるのか、親鳥を見て覚えたのか、いずれにしても理にかなった動きで、いつも感心して眺めていた。先日も着陸しそうな鷺がいたので見ていた。広げた羽を立ててふわっと着地したのだが、何故かそこで仰向けにひっくり返ってしまった。特に瞬間的に突風が吹いたということもなかった。驚きました。すぐに起き上がったのですが、起き上がった後にもっと驚いたことが起きました。鷺の全身がピンク色に染まったのです。脚と嘴を除く全身が薄いピンク色になっていました。特に顔のピンク色は濃いピンク色でした。何事が起ったのかわかりませんでした。仰向けに転んだところは田んぼの中で、ピンク色のものなどありません。しかも転び方も強く転んだわけではなく、背中が軽く稲の苗に乗った程度に見えました。驚きました。そして、またまた驚いたことには、三つ数えるか数えないうちにピンク色は消えて元の白に戻ったのです。何事もなかったように飛び立っていったその鷺の後姿をみているうちに、ああそうかと思いました。きっと恥ずかしかったのですね。着地の時に仰向けに転ぶ、という失敗をした自分が恥ずかしくて、赤くなってしまったのです。珍しい光景を見ました。