変身

気がかりな夢も気がかりでない夢もみなかった夜の眠りから覚めると、ろくろっ首になっていた。地球上のこの地域では一年で最も日が長い時期の6月18日の朝は明るかった。この日からろくろっ首になることは、生まれた日から決まっていた。昨年の今日から昨日までの間、婿入り生活したことも、生まれたときからの定めだった。ろくろっ首は女の妖怪のようなので首が伸びるのは確かだとして「女になるのですか?」としかるべき筋に問い合わせたが、はっきりした回答がないまま今日という日を迎えて、目が覚めてすぐに−−どっちでも私は構わないですが興味はありましたから−−確認したところ、それは変わっていなかった。婿入り生活は可もなく不可もなく終わったが、ろくろっ首は、首を伸ばせるという利点、多分利点になるだろうことがあるので、良い事があるだろうか。
自戒すべきは「あの人、人のはなしをろくろく聞かないけど、やっぱりね」というおちにされないように、ということですね。
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