ラジオ体操

近所の公園で集まって朝のラジオ体操をするようになったのは、私がモモと散歩するようになった時期より後だから、おおざっぱに言って二、三年前からだと思う。最初は五、六人だったが今では二十人ほどになっている。年配の人が殆どだ。私はその時間に通りかかっても参加しなかった。一時間近く歩いた後なんだから、ラジオ体操みたいな甘っちょろい年よりのぬるま湯みたいなものはできません、という気持ちだった。
一か月ほど前から、六時半に公園を通りかかれば−−通るのは必ず通るが時間があうかどうかは、いろいろ−−ラジオ体操に参加することにした。歩くだけでは限られた部位しか動かさないから体操もする方が良いだろうと思った。始めてみて特に何か変わったこと、例えば一日体の調子が良いとか、そういうことはないが悪くもない。体が堅いことは良く分かった。第一体操と第二体操の間の首の運動の時、唯一知っている曲、結婚行進曲が流れるが、他のところも知っている人は知っている曲の一部なのだろう。今朝は結婚行進曲は流れなかったから、毎日同じではないようだ。演奏者が二人いてピアノの音を聞いて今日は誰、と分る人もいるらしい。
なるべく考え事をせずに、体の動きに意識を集中して体を動かそうと思うが、どうしても考えがあちこち飛んでしまう。
首を前後に曲げたり(=承諾)、首を左右に振ったり(=いやいや)の運動のところに結婚行進曲を持ってきたのは、作った人の意識的な選曲なのかもしれないとふと思った。