『夜は終わらない』 星野智幸

A、B、C、Dそれぞれが「話」として、下記のような構成になっているのだろう。

Aの開始
   Bの開始
      Cの開始
        Dの開始
        Dの終り
      C終り
   B終り
Aの終り

実際には、一番外側のAの結末は小説内にはない。それは「実際に起こった出来事のどれか」が、そこに当てはまるということなのだろう。ABCDに当たるそれぞれの話も面白かったが、私はこういう小説の構造に惹かれた。全体をとおしての寓意もあるのだろうが、わからなかった。〈自分の存在は他者の思考の中にある〉ということなのか。