お友だち

ひ孫一といっしょに歩いているときに知り合いと会って挨拶をして、ふた言み言言葉を交わして別れた後で、ひ孫一が私にいつも尋ねるのは「あの人、じいじのお友だち?」だ。近所の人だったり、犬の散歩で会う人だったり「お友だち」と言っていいものかどうか、言えないのではないか、といった人の場合が多いのだが、まあいいか、と「うん、お友だちだよ」とあいまいに答える。そうすると不思議なことに、自分の口から出た「お友だち」という言葉に、気分が浮き立つ。そして、お友だちでいいじゃないか、と思う。別に嫌いではないし、会って嬉しくないわけでもない。そこでもう一度「そうそう、じいじのお友だちだよ」と答える。