顛末を告げる言葉

登録しておくと、市の防災無線の放送内容がメールで受信できる。例えば「行方不明者の捜索依頼第××号」というようなタイトルで行方不明者に関する情報(体格、服装、行方不明になった日時と状況等)が届く。それに対応して「行方不明者の捜索解除依頼第××号」というメール届く。それには「……は無事保護されました。ご協力ありがとうございました。」と書かれている。殆ど、たいていそういう文面なのだが、先日の解除依頼は「……は発見されました。ご協力ありがとうございました。」だった。この解除依頼は捜索依頼の一週間後だった。82才男性。ショルダーバッグを持って行方不明になっていた。
私は、この「発見されました」という言葉の使用は、優れていると思う。「そうか。見つかったのか。よかったよかった」と聞いてもらえばそれはそれで良いし「無事保護ではないのか。どうかしたのかな」と聞いたらそれでも良い。そういうことだと思う。あれこれ考えさせないようにすべて「発見」に統一してしまうという考えもあるかもしれないが、無事保護のときには、無事保護と聞きたい。
ちょっとトルストイのことが頭に浮かんだ。