昔話法廷「白雪姫」

珍しく被告人の王女が全面的に犯行を否認している。
わたしは王女は無罪だと思う。

りんごに王女の指紋がないことは、手袋をするなどの方法があるから決め手にはならない。

白雪姫は「助けられた王子とは、助けられた時が初対面だ」と言ったが、これは狩人の証言からは嘘だった。嘘をつかねばならない理由は何か。王子からも聞き取れば、よりはっきりする。
意識が薄れる中での高笑いから、王女の声だと分かるものかどうか。
リンゴ売りの風体について白雪姫は「大きなフードをすっぽりかぶって、鼻も魔女のように大きかった」と述べている。命を狙われている白雪姫ならば、じゅうぶんに警戒すべき風体ではないか。
この事件は、白雪姫と王子の共謀による自作自演だと思う。