「母影」尾崎世界観
「推し、燃ゆ」よりは良い(好きだ)と思った。
一度目は最後まで読み通せなかった。何故かというと、下記のような記述がつぎからつぎへと出てくるので「胃もたれ」のような感じになってしまった。
ほどけたクツヒモはお客さんの足から逃げてるみたいだった。私にはクツヒモの気持ちがよく分かった。
ガソリンスタンドのお兄さんは、いつも大きな声をだして車におこっている。でもまじめな顔で車のためを思っておこってるのがちゃんとっわかるから好きだ。
もう一度読みだした。気にしないようにしてーー無心になって、かなーー読み進んだら、読めた。よくよく考えると主人公が直に接していることがらについての表現、例えば下記のようなところは、そうか、ということで読み進められるようだ。
熱いお湯が私の体を流れるとき。やっぱり水の声が聞こえた。からだがヒリヒリして、水が大声で何か叫んでいるみたいだった。
でも下記のよう箇所は「常套句だな」と感じた。
そのもっと先にあるの空から真っ赤な血が出てて、ところどころ白い雲がそれをふいてあげてた。それでもやっぱり痛いのか、しばらくして空から雨が落ちてきた。