『ゴーゴリ伝』アンリ・トロワイヤ著 村上香住子訳

故人と同時代に属する人たちには、あの小柄な病い持ちは、感情を韜晦し、煩悶に責めさいなまれ、見栄張りで、虚言癖があり、うぬぼれが強かったが、それでも『検察官』や『死せる魂』といった作品を生み出した、恐るべき才能を持った作家だった。

すべての大作家は常識人ではない

が真だとしても

常識人でないならば大作家である

ということはないが

常識人の大作家はいない

は真である。