『縦横無尽の文章レッスン』村田喜代子

元は大学での講義。作家が何らの講義をこういった本にするというケースは多いようだ。

例によって目次を紹介。

(前期第一週)
何を書くか、何を書かないか? 小学生の作文にひれ伏そう
(前期第二週)
面白がって、自由に、大胆に、冗談まじりに、好きなようにやってみよう
間違っても、しかつめらしくならないで
(前期第三週)
真っ直ぐな、素直な文章ばかり書いていないか?
理屈はこんなふうに捏ねるのだ
(前期第四週)
さあ、大胆に、冗談まじりに、
一所懸命に、理屈を捏ねてみよう
(後期第一週)
天才少年大関松三郎の詩を読む
これが七十年前に書かれた文章表現だ
言葉の陰にあるものを読み取ろう
(後期第二週)
筋の通る文章と筋の通らない文章
(後期第三週)
考察とは物事を明らかにするために
よく調べて考えること
(後期第四週)
考えながら、笑ってみよう
笑いながら、考えてみよう
(後期第五週)
対象物をじっくり見てみよう
しかるのち、目を閉じる
物事の本質はそれからでないと見えてこない
(後期第六週)
深く書くとはどういうことか
たかが、ねずみの話であるが
たかが、はとの話であるが
(最後の授業 創作必携)
書く前に考えること
書き終えて読み直すこと

一 テーマをどう掴むか
二 文体をどう作るか
三 書く前は徹底的に調べる
四 まず自分の目と耳で推敲する
五 文章の中に空白はないか
六 自分の癖を知る

後期第六週の教材は『ねずみ女房』ルーマー・ゴッテン著 石井桃子訳 福音館 1977年