倉橋由美子の言う「小説の基本ルール」

『あたりまえのこと』の中に書いてあった。本は返してしまったので、引用ではなく、私の理解した所を書く。

「小説を書く上での基本ルール」として二つのルール違反をあげていた。

ル−ル違反その1

作者が自分のことを「私は」という書き方で小説に書くこと。
何故ルール違反かというと、自分のことを書くのは何を書いても、結局は自慢話だから。自分の不幸話も、病気の話も自分で自分のことを語れば自慢話である。こう断じていた。自分のことを書いても、作中人物の誰かということで書くのは一向に構わない。《解る》と思った。

ルール違反その2

「小説中のある人物が作者である」と読者に誤解させることを意図した書き方をする。書いてある内容が実際の作者のことかどうかは関係なくルール違反である。理由は何だったかな。要するにこれも自分のことを自分で書いているからということかな。

『あたりまえのこと』『偏愛文学館』併せて読んでみて下さい。