山のこぶしと街のこぶし

街路樹のこぶしと、山のこぶしで枝振りが違うような気がした。山のこぶしは、枝が横に伸び、伸びた枝の末端がしゃくり上げるように上に向かう。街路樹のこぶしの枝は太い枝もそこから出る細い枝も上に伸びる。横には伸びない。街路樹の枝が横に伸びたら交通の妨げになるから、横に伸びない種類を植えているのだろうかと思った。
山のこぶしの横をこんなことを考えながら歩いていて、木の幹を見たら斜面に対して垂直に立っている。私の歩いている地面に垂直なのではない。頭の中で山の斜面の傾きをなくし路面と平行にしてみたら、こぶしの木の全体も路面から垂直に立った姿になり、あらら、枝振りは街路樹のこぶしと同じだ。何日も何日も枝を見て考え込んでいたわけだ。面白い。