『海辺のフィアンセたち』 ミシェル・トゥルニエ

訳者のあとがきによれば

原題からすれば、タイトルは『小散文集』とでもいったところであろうが、(後略)

以下は、大きな区分の「身体」の中の「セックス」の全文

セックスの何がつらいかというと、セックスの満足はセックスを堪能させるどころか、逆にそれをかき立ててしまうということ。その結果、セックスをすればするほど、ますますセックスをしたくなる。身体に必要なだけの水分を吸収すれば消えてしまう自然な渇きと、満足すると自ずと増大していくアルコール中毒者の病的な渇きと比較してみること。だが、ひとたび満足するとしばらくの間おさまるような「正常な」性欲などというものがあるだろうか? 私にはあるとは思えない。性欲には、脳みそがいっぱい詰まっている。

いつかブログに載せようと書き抜いておいた前の前の記事の『ある島の可能性』の引用部分と、後から読んだこの本の上の引用部分が、同じことを言っているような気がして、それを書いた人物が同じミシェルでそれも面白いと思った。
「性欲には、脳みそがいっぱい詰まっている。」という表現には、なるほどと思う。
トゥルニエは1924年12月19日生まれとのことで今年90才になる。