「回収する」の意味

何回かその言葉の使われるところを読んでいるうちに、その言葉の意味に見当がついてくるという言葉がある。「回収する」もそのひとつ。広辞苑の最新版はどうかわからないが、調べた限りでは「形のあるもの」を対象とする意味しか載っていない。形のないものに対して、次の用例のような使われ方を見かける。

『すっきりわかる! 超解「哲学名著」事典』(著者: 小川仁志)からの引用

そして往々にして、ものごとの本質は難解な言葉で表現されます。なぜならあらゆる角度から光を当て、それを描写する必要があるからです。そしてその複数の言葉を単純な言葉に回収してしまうようでは意味がありません。だからまわりくどくなるのです。

物事を「回収」すると、一見切れ味のよい表現が生まれますが、そこは注意しなければいけないと思います。