JR函館駅

函館駅函館本線の一方の端の駅で、着いた列車が行く次の駅はない。そうは言っても、乗客を降ろしてから車庫へ行くなり整備工場へ行くなりと、線路は続いていてもおかしくはない。線路があっても「端の駅」でなくなるわけではない。しかし、函館駅に入ってくる何本かの線路の先は線路に直角に交わるホームだ。名実ともに終着だ、と思いながらこれから乗る列車のホームから眺めていると「降りてあそこから青函連絡船の乗り場に走ったんだ」という声が聞こえた。振り返ると同じホームの少し離れたところにいた年配の男性が線路の終端の先を指さし、隣に同年輩の女性が立っていた。それで納得した。列車を降りたところは、青函連絡船の乗り場に近くなければいけないのだ。乗船場所までの間に車庫や整備工場を置いて、乗船場所まで時間がかかってはいけないのだ。今となっては「いけなかったのだ」ということになるが。
今は青函トンネルができて青森へ行く線路があるのでは、と首を傾げた方もおられるのでは。私も青森から青函トンネルを潜って函館駅に出てくるというように漠然と考えていました。青函トンネルを潜ってきた線は北海道では江差線になり五稜郭駅函館本線にT字型にぶつかり、右函館、左札幌となります。
函館発の列車がエンジンをかけて待っています。二両編成です。後ろの車両から乗り込みました。ところどころの窓が細めにあいています。前の車両も同じです。ボックス席ですが通路を挟んで片側はふたり分の席が向かい合った一般的なボックス席で、反対側はひとり分の席が向かい合ったボックス席でした。ということは通路が広かったのだろうか。覚えていない。前の車両の進行方向に向かって右側(ひとり分の席の向かい合ったボックス席)に座りました。走りだしてから、ひょっとして一両だけ冷房があるのかもしれないと思い、後ろの車両に行ってみましたが、冷房はありませんでした。それで窓を開けて乗っていましたが、そのためにトンネルの中は気温が低い(冬場は高い?)ということがわかりました。少し長いトンネルがありましたが、車内がぐんぐん快適な温度になり、これは寒くなってしまうかと心配になるくらい下がりました。
終端、ということは始端でもある函館駅。画面の左に見える列車がこれから乗る列車。