函館を立つ前

23日函館の朝、汽車の時間まで少し時間があったので市電に乗った。どこへ行きたいということはなく、汽車の時間までに駅に戻れそうなところ、ということでひとつの系統の終点「函館どつく前」まで行った。「函館どつく前」は調べて書いたのだが、「どっく前」ではなく「どつく前」が正しいらしい。
降りて歩いてみた。向かいから女の子が三人歩いて来た。見た目には暑苦しい黒いビジネススーツの子がひとり、他のふたりもスカートの人もいたが似た雰囲気の服装だった。その後ろからは同じような服装の男子が三、四人歩いてきた。年頃と服装からみてこの先に会社の寮があってそこから出て来た新入社員に違いないと思った。研修会の会場にでも行くのだろうと思った。
すれ違ってから私はまだ先の方に歩いたが、先には港があり漁船がぎっしりと停泊していた。「函館どつく前」停留所に戻るとすれ違った若者も電車を待っていて、若者たちも函館駅まで行ったのだが、結局若者たちは、何日か前に下関を船で出発した修学旅行の高校生たちだった。泊まるのは船で、港の船から降りて観光に出て来た一行だった。「修学旅行」とは確かに聞いたが高校生と言ったかどうか。今思うと、ひとつの高校がそっくり船に乗ってきたとしたら、もう少し大勢の若者が市内に向かってもよさそうな気がする。雰囲気から水産大学校ということもあるかもしれない。延べ何日か、二週間は旅するように思うが、何日かは陸に泊まりたいのではないかと思う。
函館ドックの社屋の隣にあった労働組合の会館の名前が良かった。ずばり「団結会館」。