続、『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ 土屋政雄=訳

途中途中で何回にも分けて感想を書いていこうと思いましたが、意外に早く読めて、読み終わってしまいました(「小妖精」のところなどは斜め読みだったが)。

「巨人」の正体が分かってみると、「忘れられた」という形容がしっくりしないような気がした。「忘れられた」には「覚えておかれるべきなのに忘れられた」というニュアンスを感じてしまう。念のため原題の「The Buried Giant」の「Buried」を調べたら「葬られた」とでてきた。こちらの方がしっくりきます。

その船があの世行きの船ならばその船着き場へは、「死がふたりを分かつまで」と誓うように、いかに夫婦といえども別々に来るのではないだろうか。だから、一緒に渡すか別々に渡すかの判断が必要になる場面は、そう多くはないのではないだろうか。

調べたところによると、竜の世界では「雌竜」は悪玉、「雄竜」は善玉らしい。