話せば長いような、そうでもないような話

冬場のモモ(犬)との散歩のときに着る、膝の丈くらいの長さのコートがある。このコートのファスナーの一番下が外れなくなってしまった。それなら、セーターと同じ要領で脱いだり着たりすれば良いのだな、と思い、頭から抜いて脱ぎ、頭から被って着ていた。しばらくそうしていた。あるときに思いついて、足から抜いてみた。ファスナーは一番下まで下がっていて、コートの前は大きく開いているので簡単に脱げた。着るときにも、足から入れてそれから手を入れて、簡単に着られた。この方法で何回か着たり脱いだりしているうちに、昔、こういう着方、脱ぎ方をしていたことがあったことを思い出した。「つなぎ」だ。つなぎ服をこのように着たり脱いだりしていた。それからまた暫くして「つなぎ」は「オーバーオール」ともいうのではなかったか、という考えが浮かんだ。ファスナーの下が外れなくなってから、オーバーオールが頭に浮かぶまで、約一か月はかかったろうか。長い話だろうか、そうでもないだろうか。