三十番神

久しぶりにそこへ行った。「金毘羅宮」か何か「金毘羅」という文字が入った額が掛かっていた、という記憶があったが、鳥居には「三十番神」という額が掛かっていた。「金毘羅」の文字のあった社は、この辺りには間違いないと思うが、別の社だったかもしれない。ここは確かに「三十番神」だった。お賽銭は、閉め切られている雨戸の隙間に差し込んできた。三十番神を後にして少し歩いたところで、自転車ですれ違った婦人に見覚えがあった。この辺に畑を作っている人だったかと思う。振り返って見ると、案の定、畑の方に入って行ったが、今日は畑仕事ではなく、猫への餌やりのようで、猫が三匹ほど、一目散に婦人の方に駆け寄って行った。