「スリムレッド」の話#買って良かった2020

昨年11月に、りんごを珍しく買った。最初の値段から値下げされていたことと、小さ目は小さ目だが、六個という個数が値段の割には多いような気がしたことが買うことを決めた理由だった。

帰って袋から取りだして手に取ってみて驚いた。自然に開いた大きさの、お椀の形にした手にぴったり収まった。りんごは手から握る力を感じないし、手もりんごから押し開く力を感じない、そういった関係だった。

その大きさの感覚が手から頭に伝えられたのだろうか、丸かじりという言葉が頭に浮かんだ。本来なら袖できゅきゅっと拭いて、というところだが、そこはやはり水で洗いはしたが、すぐにかぶりついた。

自然に手を開いて作ったお椀の大きさと口の大きさは一致しているのだろうか。自然にかじることができた。芯も種も摘まむ取っ手の部分(「果梗(かこう)」というそうです)まで食べられた。要するに、何も残らなかった。快感が忘れられずに、ラベルに書いてあった安曇野市の生産者にその品種「スリムレッド」を注文した。

下記は送られてきた品についていたスリムレッドの説明書きです。

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「ふじ」と「あかぎ」というりんごの掛け合わせで生まれたりんごです。朝食や筋トレ後にお勧めです。

皮ごと食べられるよう減農薬栽培しました。

保存の仕方:りんごは冷蔵庫に入れてください。

ピニール袋に入れて冷蔵庫で保存すると長持ちします。

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「筋トレ後」という狭い事象を挙げているところに、微笑ましいリアリティを感じますね。