ノーベル文学賞

ノーベル文学賞の受賞者が決まるとすぐにその人の本を図書館で探し、未読の本に予約が入っていないと、「よし!やった」とすぐに予約するのを楽しみにしています。莫言の作品は前から読んでいました。「転生無現」を一番最初に読んだと思います。

床に横倒しになった西門金竜は、月の光が作った窓枠の影にぶった切られ、砲弾で真っ二つにされた死体のように見えた。月光が一筋、その顔に当たっており、乱れた髪の毛も照らし出されていて、青い血が数本、ムカデのように髪の生え際から顔に這っていた。

というような描写に惹かれました。
他に「夜の闇の中の杏の花の明るさ」の描写にも惹かれました。自分の上下左右すべてを杏の花に包まれたら良い死に場所かもしれないと思います。光に包まれる感じでしょうか。豚の印象も強かった。今年のノーベル文学賞の結果について《「豚」対「羊」は豚の勝ち》というような考えが浮かびました。村上春樹については「読まず嫌い」なのですが、私は莫言の作品の方が好きです。