「ビデオの編集」ということ

私が入っている文章教室が一般の方の参加を募って公開文章教室を開いた。地元のケーブルテレビ局が取材に来て撮影していった。その放送を見た。「地域の出来事」のような番組の中で放送された。時間は5分ほどだった。
まず最初に教室終了後の参加者へのインタビューが流れた。私はビデオの編集とは、ところどころちょん切って〈時系列は保ったまま〉短くするのだと思っていたから、これには驚いた。それから会場風景が流れ、演壇の講師の講義の山場が流れ、終了後の主催者の代表のインタビューが流れた。私は主催者の側だったから、講義の内容だけでなく催しの流れも頭の中に残っていたが、この放送を思い返してみると、放送の方が、起こった順番に流すよりも観る人に訴える力は強いと思った。最初のインタビューで、教室の実績と講師の凄さを観る人に訴えてしまう。それでチャンネルを回さずに続きを見て貰う、という狙いではないかと想像する。私たちの教室の宣伝になるように、という意図での編集だったと思う。こういう場合のビデオの編集は、報道の場合は別だろうが、小説を書くのと同じだな、と思った。ビデオの編集もこれだけいろいろ考えてするのだから、小説も漫然と時系列に沿って書いているようではいけないな、と自戒した(もちろん時系列に沿って書いた方が良い場合もある。一概には言えない。が、何も考えないのはいかんな、と自戒)。
ただ、一方では怖さも感じた。編集次第ではどうにでもなる。放送業界に「ニュース映像の編集時に守るべき規則」というようなものはあるのだろうか。