苦手な音

布団の中で寝ようとしているときに、風で鳴る雨戸のガタガタという音が気になって、眠れないことがある。めったにないのだが。眠れない、と思っているうちに眠ってしまうことの方が多いのだけれど。どうしても眠れないときには、雨戸を開けてしまう。雨戸を戸袋の中に入れてしまうと鳴らなくなることもあるので。

眠れない原因は音の大きさではなく、不規則さにある。ガタガタと鳴りっぱなしではない。風の強弱方向が変化するのに従って、鳴りやんだりまた鳴ったり、鳴る時間も鳴り止む時間も一定ではない。ガタガタと鳴って鳴り止んで、すぐにまた鳴りだすのはまだ良い。鳴り止んでいる時間がかなり続き、少しほっとしたところでまた鳴りだすのは、堪える。そのうちに鳴り止んでいる時間も、いつ鳴り出すか、さあそろそろまた鳴り出す、などと考えるようになる。風の強い時には閉めるべき雨戸を開ける、のは何だか不本意だけれど、そろそろ雨戸を開けてしまおう、ということになる。