萱崖とは何か考えた その一

これの一日目を聴いてきた。

http://www.library.city.sakura.lg.jp/event/shidu%20%20bungakukouza.html

今東光吉川英治が取り上げられた。

吉川英治といえば、当地にある歌碑が有名。

萱崖(かやがけ)は 母のむねにも似たるかな たかきをわすれ ただぬくもれり

この歌は「晩秋に箱根千石原で詠んだ」のは確かだそうです。ただ、詠んだのは箱根でも吉川英治の頭の中に佐倉の景色が無かったとは言えないと考える(私の考え)のは多少強引かと思いますが、何より「萱崖」はどんな物なのかがわからない。

かや【茅・萱】
1 屋根を葺(ふ)くのに用いる草の総称。ススキ、チガヤ、スゲなど、主としてイネ科、カヤツリグサ科の大形草本。茅根。
2「すすき(薄)」の異名。

がけ【崖】
古くは「かけ」で「がけ」は近世以降。「かけじ(懸路)」「かけみち(懸道)」などの「かけ」が分離一語化したもの)山や岸などが険しくそばだっている所。きりぎし。

かやを葦のようなものと考えていたが、「すすき」の異名でもあることを知った。箱根のすすきの原の写真を見ると、なだらかな丘の斜面全部が、すすきで白くなっているところは、女性の胸を思い浮かべておかしくない。しかし写真で見た限りでは「崖」というように切り立っているところは無かった。

崖を≪切り立っているところ≫と考えて、箱根に切り立った崖にすすきが群生しているところがあり、英治がそれを見て母の胸を思い出したとすれば、英治の母の胸が切り立っていたのだろう、というのは思いつきとしては面白いし、「実は吉川英治の母親は巨乳だったんだよ」というような切り出し方で、私なんかが自慢そうに話したい思いつきだが、実際に見たのはなだらかな斜面だと思う。「萱丘」「萱野」「萱原」なども考えたが「萱崖」が一番収まりが良かったので「崖」はちょっと違うかなという気もしたが、まあいいかということで「萱崖」を使った。英治さん、そんなところでしょうか。