ふたご座流星群

あれが「ふたご座流星群」ならば、「流星群」と名の付くものは初めて見た。尾は引いていなかった。丸い球が、見える範囲では五から六個、ゆっくりと同じ速度で同じ方向に動いていた。月と反対の方角で東の方だった。空を見ながら、散歩でとおる小学校の校庭までところで、ちょうど見えた。「見えた、見えた」という声も聞こえてこなかった。誰もいないようだった。繰り返しになるが、「流星群」と名の付くものは初めてみた。見たい、という気持ちは強くはなかったけれど、寒い中を家を出たのは流星群の名前が「ふたご座」だったことを、何かの縁、と思ったためだと思う。

というわけで、来年はイノシシの肉を食べようと思う。