『小説−−いかに読み、いかに書くか』後藤明生

古本で購入。買ってしまうと読まないいつもと異なり、買ってすぐに読了。

小説家には<小説を書きながら「小説とは何か」を模索し続けた人>と、<「小説とは何か」について明確な概念を持っていて、その小説について、より良いものを書いていこうとした人>の、二つのタイプがあるのではないだろうか。この本を読んで、そんな感想を持った。
小説とは何かに関する本ではよく取り上げられている横光利一の『機械』を読んでみようと思う。

目次
プロローグ−小説を書くことは読むことからはじまる
「事実」かフィクションか−田山花袋『蒲団』
裸眼による直写−志賀直哉『網走まで』『城の崎にて』
文体−接続詞とは何か−宇野浩二『蔵の中』
虚構としての心理と意識−芥川龍之介『藪の中』、永井荷風『濹東奇譚』
中心を失った「関係」の発見−横光利一『機械』
私小説」のパロディー化−太宰治道化の華』『懶惰の歌留多』
「異様なる日常」の世界−椎名麟三の『深夜の酒宴』
エピローグ−「話し言葉」と「書き言葉」