蟻の置かれた状況

ガードレールの丸い横棒の上を、本人は走っているつもりかもしれないが、蟻が歩いていた。鉄棒は白く塗られているから黒い点が目立つ。ガードレールに縦の棒があるのは、蟻のいるところから、165センチほど先になり、そこまでは下に降りることはできない。蟻の身長を1.65ミリくらいだから、身長の1000倍のところまでは丸い鉄棒の上を歩き続けるしかない。私に当てはめてみるとどうなるか。身長165センチの1000倍で、165000センチだから1650メートル、1.65キロ。ということで蟻の置かれた状況は、砂漠に置き去りにされたというほどのことではなく、近所に買い物に出た、という状況だ。それを本人が分っているかどうかは別だが。