いちご狩り

二十三日にいちご狩りに行こうと思いたち、調べたらなかなか難しいところがあった。「時間制限なし」というところで、いいなと思ったところは、念のため電話してみたら、九時に開園だがは八時過ぎから並び始めて、九時の時点で並んでいる人数で当日の定員に達してしまう、ということだった。連れて行きたいひ孫一の一家は、朝は早く出られない。起きるのが遅い、支度に時間がかかる、などなどで、乗り物の時間が決まっていない場合は、打ち合わせの時間の一時間半から二時間後に、来る。もう慣れた。これはわたしの愚痴。時間制限のある所にも(そういうところが普通だが)、いろいろ当たってみた。やはり予約が必要なようだ。結局、春休みの平日に行くことにして、二十三日は、家でいちごを食べることにした。いくつかのボウルにいちごを盛っておいて、そこからの「つかみ採り」でいちご狩りの雰囲気を出すことにした。でも、もう少しいちご狩り近づけたいとも思った。へたに糸を巻き付けて、一本の糸に万国旗のようにいちごをぶら下げようと思ったが、ちょっと面倒で、それについては二の足を踏んだ。洗濯ばさみが何個もぶら下がっているタイプのハンガーにいちごをぶら下げることを思いついた。
当日、準備して待っていたら、部屋中にイチゴの香りが充満した。いちご狩りのハウスの中も、こんな風なのだろうか。まあまあ好評だった。孫一の話では、洗濯物干しハンガーを使ってのいちご狩りは、ネットでも見かけられたそうだ。
ひ孫一が、パン喰い競争の要領でいちごを口に入れていた。わたしも真似してやってみたが上手くできない。こういう風にするんだよ、とやって見せてくれたのを見たら、孫一の首は九十度後ろに反っていた。わたしはというと、せいぜい十五度だろうか。なるほど。